NEW EMPLOYEE GUIDE / 土地仕入れ
土地仕入れの一次検討を、
迷わず進める手順。
新入社員の役割は、最初から「買う・買わない」を断定することではありません。 数字の根拠と未確認事項を分け、次の判断に必要な材料をそろえることです。
- 対象
- 土地仕入れの新入社員
- 目的
- 一次検討と引継ぎ
- 目安
- 資料受領後30分
01 / GOAL
一次検討のゴールは、答えではなく「判断材料」をそろえること。
土地情報が届いた直後は、道路、法令、造成、地盤、販売価格などに未確認事項が残っています。 その状態でひとつの利益額だけを見ても、仕入れ判断はできません。
一次検討では、次の3点がそろえば合格です。仕入れ上限の目安、数字を置いた根拠、 そして追加確認が必要な項目。上司が短時間で前提を直せる状態をつくりましょう。
基準ケースと、売値・原価が悪化したケースを並べる。
資料、社内基準、見積、仮定のどれかを明記する。
分からないものを推測で埋めず、次の確認先を決める。
02 / FIRST RULES
入力を始める前に、3つだけ守る。
サンプル値を案件の数字へ上書きする。
「仕入れ前」に最初から入っている数字は説明用です。土地面積、仕入価格、販売価格、 建築費などを案件の数字へ変更し、「サンプル値」の表示が消えたことを確認します。
利益額ひとつで判断しない。
基準ケースに加え、販売価格の下振れや追加原価を反映したストレスケースも見ます。 利益率と金額の両方を、社内の仕入れ基準と照合します。
不明な情報は、不明なまま見えるようにする。
未確認の道路幅や造成費を、都合のよい数字で確定させないこと。 仮定を置く場合は「仮定」と書き、確認後に差し替えます。
03 / 30 MINUTES
資料を受け取ってから、30分でここまで進める。
時間はあくまで目安です。資料不足や権利・建築可否に疑義がある場合は、無理に完了させず確認へ回します。
- 0–5分
受領資料と情報源をそろえる
物件概要書、公図、登記事項証明書、測量図、現況写真など、手元にある資料を列挙します。 面積や権利者などに食い違いがあれば、まだ正解を決めず両方を記録します。
- 5–10分
計画と販売の前提を入れる
土地面積、有効宅地面積、区画数、1棟あたり延床、想定販売価格を入力します。 有効面積や区画数が未確定なら、どの条件で置いた仮定かをメモします。
- 10–18分
仕入・建築・現場固有費を分ける
土地代、取得・登記・仲介費、建築費に加え、解体、造成、測量、地盤、 インフラ引込などを別枠で入力します。見積未取得の費用は「0円確定」ではありません。
- 18–24分
資金・販売・利益基準を合わせる
借入金額、金利、借入期間、販売経費、目標利益を社内基準へ合わせます。 自分の感覚ではなく、保存された会社基準や上司の指示を優先します。
- 24–27分
ストレスケースを見る
販売価格の下振れ、建築費・現場費の上振れを反映し、利益率と仕入れ上限がどう変わるか確認します。 どの前提に弱い案件かを一言で説明できるようにします。
- 27–30分
案件を保存し、未確認事項を引き継ぐ
入力内容を見直して案件を保存します。最後に、確認できた事実、置いた仮定、 未確認事項、次の確認先をまとめて上司へ渡します。
04 / STOP & CHECK
結論を急がず、いったん止めて確認する項目。
次の項目は、面積、区画計画、工期、原価、販売性を大きく変える可能性があります。 未確認なら「問題なし」にせず、役所、現地、登記、測量、見積先など適切な相手へ確認します。
接道と再建築の前提
- 道路種別、認定幅員、接道長
- セットバックの要否と範囲
- 建築可否や許認可の条件
売買対象を確定できるか
- 所有者、抵当権、借地・越境
- 境界、確定測量、私道持分
- 契約前に解消すべき条件
想定した建物が入るか
- 用途地域、建ぺい率、容積率
- 高さ、斜線、防火、地区計画
- 造成や開発許可の要否
追加費用が隠れていないか
- 高低差、擁壁、解体、残置物
- 上下水・ガス・電気の引込
- 地盤、土壌、災害リスク
平均値で弱い区画を隠していないか
- 道路付け、日当たり、駐車計画
- 旗竿地など区画ごとの差
- 販売期間と値下げ余地
根拠が追える状態か
- 情報の取得日と提供者
- 事実、見積、仮定の区別
- 資料間の不一致と更新待ち
05 / HANDOFF
上司への引継ぎは、結論より「前提差」を伝える。
「利益が出ます」だけでは、前提が変わったときに再判断できません。 次の型を使い、事実、仮定、未確認事項を分けて共有します。
チャットや案件メモへコピーして使用
【案件名・所在地】 【入手した資料】物件概要書/公図/謄本/測量図/その他 【確認できた事実】 【今回置いた仮定】 【未確認事項】 【基準ケースの仕入れ上限】 【ストレスケースの仕入れ上限】 【売値または原価が何%動くと基準を割るか】 【上司に判断してほしいこと】 【次に確認する相手・期限】
新人のうちは、ここまで断定しない。
- 未確認の法令・道路・権利について「問題ありません」と言い切る
- 正式見積のない工事費を確定額として扱う
- 試算結果を正式な査定価格・買付価格として相手へ伝える
- 社内承認前に売主・仲介へ価格や条件を約束する
06 / FAQ
よくある質問。
資料が足りない案件も入力してよいですか?
一次整理として入力できます。ただし、不足情報を推測で確定させず、仮定と未確認事項を明記してください。 建築可否や権利関係など重要な前提が不明なら、価格判断は保留にします。
販売価格はどの数字を使いますか?
社内で承認された査定や比較事例があればそれを使います。根拠が弱い場合はひとつに決めず、 基準と下振れの複数ケースで確認し、根拠と取得日を残します。
試算で利益が出れば、買付を出してよいですか?
いいえ。「仕入れ前」の結果は一次検討です。社内承認と、行政・専門家・見積先への必要な確認を経て、 正式な査定・買付条件を決めてください。
仲介から届いた情報はどこから整理しますか?
トップの「仲介持ち込み」に出所と物件情報を記録し、一次試算へ送ります。 入力内容を保存する前に、個人情報や共有範囲の扱いが社内ルールに沿っているか確認してください。