PROFIT CALCULATION / 建売事業
土地の仕入れ上限を、
売上から逆算する。
希望価格に利益を足す計算では、現場固有費や販売費の抜けが見えません。 売上から必要利益と土地以外の原価を引き、買える土地価格を逆算します。
- この記事のテーマ
- 建売事業の収支計算
- 算出するもの
- 利益・利益率・仕入れ上限
- 比較
- 基本ケースと厳しめケース
01 / ANSWER
仕入れ上限は、売上から土地以外の原価と必要利益を引いた残り。
建売事業の一次収支は、まず想定販売価格と棟数から総売上を置きます。 次に、建築費、造成等の現場固有費、取得・販売・金融費用を積み上げます。 目標利益を確保して最後に残る金額が、土地へ配分できる上限の目安です。
ただし、販売価格、棟数、有効宅地面積、工事費が未確認なら上限も仮の数字です。 根拠と未確認事項を一緒に保存し、確認後に更新します。
平均だけでなく、道路付け等による区画差も確認する。
建物・現場・取得・販売・金融の費用を分けて置く。
案件ごとの感覚ではなく、承認された会社基準を使う。
02 / COST MAP
原価は5つに分けると、見落としを見つけやすい。
土地仕入価格
- 売主・仲介からの希望価格
- 価格調整後の買付候補
- 私道持分等を含む売買対象
建築工事
- 1棟あたり延床面積
- 棟数
- 建築坪単価
土地ごとに変わる工事
- 解体、造成、擁壁、外構
- 測量、許認可、地盤
- 上下水・ガス等の引込
取引と販売に伴う費用
- 取得・登記・仕入仲介
- 販売関連費
- 未確定費用の予備費
資金を使う期間の費用
- 借入金額
- 金利
- 取得から返済までの期間
0円と未確認を分ける
- 見積がない費用を0円確定にしない
- 仮定には根拠と確認期限を付ける
- 税込・税別、単位、時点をそろえる
03 / FORMULA
基本ケースの計算式。
「仕入れ前」の一次試算で使う考え方
総見込売上 = 1棟あたり販売価格 × 棟数
原価合計 = 土地仕入価格
+ 建築工事
+ 造成・解体・測量・地盤・引込等
+ 取得・登記・仕入仲介・予備費
+ 販売関連費
+ 概算金利
見込利益 = 総見込売上 − 原価合計
利益率(原価)= 見込利益 ÷ 原価合計 × 100「仕入れ前」では、建築工事を延床面積と坪単価から、販売関連費を売上に対する率から、 概算金利を借入金額・年利・期間から算出します。実際の実行時期、返済条件、 契約条件とは異なるため、正式判断では個別条件へ差し替えます。
04 / PURCHASE CEILING
目標利益率から、土地へ使える金額を逆算する。
利益率は原価に対する割合
目標利益率から許容される原価合計 = 総見込売上 ÷(1 + 目標利益率) 土地の仕入れ上限 = 許容される原価合計 − 土地以外の原価
「利益率」の分母をそろえる。
- 本記事と「仕入れ前」は、利益 ÷ 原価合計で表示します。
- 利益 ÷ 売上で管理する会社とは数値が一致しません。
- 社内基準の定義を確認し、案件ごとに混在させないでください。
05 / STRESS CASE
ひとつの利益額より、前提が悪化したときの差を見る。
一次検討では、当初の想定がそのまま実現するとは限りません。「仕入れ前」の ストレス試算は、販売価格の下振れ、建築費・造成費の上振れ、事業期間の延長を 同時に反映し、利益と仕入れ上限の変化を見ます。
販売価格が下がる
売上だけでなく、目標利益から逆算する土地上限も下がります。
建築・造成費が上がる
土地以外に必要な金額が増え、その分だけ土地へ配分できる金額が減ります。
事業期間が延びる
借入条件によって金融費用が増え、完成・販売時点の市況変化も受けやすくなります。
06 / COMMON GAPS
収支計算でよく起きる抜け。
建築坪単価だけで建物原価を置く
解体、造成、外構、測量、許認可、地盤、インフラなどは土地ごとに変わります。 建築工事と現場固有費を分けてください。
平均販売価格だけで全区画を計算する
道路付け、日当たり、間口、駐車、延長敷地等で販売条件が異なる場合があります。 平均値の後に区画別の確認が必要です。
見積未取得を0円として保存する
0円で確定したのか、未確認なのかを分けます。仮置きする場合は根拠と確認期限を残し、 見積取得後に再計算してください。
基本ケースだけで買付上限を決める
販売価格、工事費、期間のどれに弱い案件か分かるよう、厳しめケースとの価格差を 上司へ共有します。